闇の帝国—自由の王妃アアヘテプ物語〈1〉 (角川文庫) クリスチャン ジャック Christian Jacq 山田 浩之 角川書店 2003-09
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二つの王冠—自由の王妃アアヘテプ物語〈2〉 クリスチャン ジャック Christian Jacq 山田 浩之
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燃えあがる剣—自由の王妃アアヘテプ物語〈3〉 (角川文庫) クリスチャン ジャック Christian Jacq 山田 浩之
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買おうかどうしようか散々迷って買ってしまいました。
いや、クリスチャン・ジャックは「太陽の王ラムセス」も「光の石の伝説」も持ってるし、
いつかは買うつもりだったんだけど。
今回時代が新王国期の始まりだったのと、
一番好きだった(はずの)ツタンカーメン時代を描いた
「光の王妃アンケセナーメン」(ハードカバーだったから図書館で借りて読んだ)がちとイマイチだったので、王妃つながりでまたコケたらやだなーと思ってどーも手を伸ばしかねてたんだよねぇ。
で、読む本がなくてしぶしぶ買ったんだけど、これが結構正解。
少なくとも「光の王妃アンケセナーメン」よりは当たりだったかな。
自由の王妃アアヘテプ、というのは、ヒクソス支配時代のエジプトのファラオ、
セケネンラー二世の王妃アアヘテプのことです。
で、歴史上で実際に先頭に出ていたのはファラオ達だったんですが、
実はヒクソスとの戦いを決意したのは王女時代のアアヘテプで、
最後まで諦めずに戦いを主導し、最後にヒクソスを叩き潰した、
その戦いと輝きを記した作品とでも言うのでしょうかね。
個人的には、1巻中盤〜2巻(セケンがファラオに即位〜カーメスがアヴァリスに攻め込む辺り)がかなり好き。
ちなみに、時系列で言うと
「アアヘテプ」→「ラムセス」→「光の石」です。
なので、「ラムセス」「光の石」を読んでる人には、
アヴァリスが何故呪われた都って「ラムセス」時代に言われたのかわかったり、
光の石が生まれる瞬間が見られたり、と「ああっ!」とか「ニヤリ」とか思わされる部分もあったりなんかして。
#こーゆーの、好きな人にはたまんないよね
あと、クリスチャン・ジャックの作品って共通点があるんだよね。
古代エジプトの考古学的な事実の隙間(人々の感情とか)を小説で埋めてるってのはもちろんなんだけど、なんか、圧倒的な敵に立ち向かう主人公の成長記、んで一緒に戦う人たちの命の輝きの記録だなぁ、と。
で、また出てくる敵は基本的に絶対悪(主人公的に)として描かれてたりするし。
悪役連中
ラムセス→シェナル、ヒッタイト(ウルヒテシュプ)
光の石の伝説→メヒ
アアヘテプ→アペピ(&カムジ)
んで、女性陣がまた強いの。
ラムセス→トーヤ(ラムセスの母)、ネフェルタリ、プトゥヘパ(ハットゥシリの妻)
光の石の伝説→ウベクヘト
アアヘテプ→アアヘテプ
まあ、古代エジプトは基本的に女性原理だったので、
女性が強いのは当然とも思いますが。
あと、結構キャラ造形と言うか、立ち位置がかぶってる人たちもいます。
ラムセス→セラマンナ&セタオー
光の石の伝説→パネブ(ネフェルが生きてた間の)
アアヘテプ→口髭&アフガン
ネフェルが死んだ後のパネブは完全に主役なので立ち位置が変わってくるけどね。
#それまでは両主役、というかネフェルの影って感じ?
こーゆー、キャラ対比とか歴史の流れを感じつつ読めるのが、この作者のいいとこかな。
ってアアヘテプの話じゃなくなってきちゃった(笑)
まあ、とにかく、古代エジプト好きだったら、クリスチャン・ジャックはオススメです。
次はどこの時代かな、ミイラも見つかって(?)話題がホットだし、ハトシェプストあたりどうだろね。
それにしても、「ラムセス」「光の石」「アアヘテプ」とだんだん短くなってきてるのがちょっと気になる…
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