テンプル騎士団の古文書

おおう、久々の読書感想文(笑)だ。
ぼちぼち発売予定のグイン・サーガ・ワールドを本屋で探してたら見つからなくて、
タイトルに惹かれてうっかり買ってしまった本。

4150411905 テンプル騎士団の古文書 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV ク 20-1)
レイモンド・クーリー 澁谷 正子
早川書房 2009-01-30

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テンプル騎士団の古文書 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV ク 20-2) テンプル騎士団の古文書 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV ク 20-2)
レイモンド・クーリー 澁谷 正子

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昔読んだ「聖骸布血盟」と同じくテンプル騎士団モノだけど、
こっちのテーマは聖骸布ではありません。
「テンプル騎士団が隠した何か」を追い求める(というか奪い合う?)、というのと、
過去編と現代編が交互に描かれる、という構造は、「聖骸布血盟」とよく似てるね。
#テンプル騎士団がテーマになると、どうしてもそうなっちゃうのかな?

巷では「ダ・ヴィンチ・コードの二番煎じ」とか言われてるみたいだけど、
「聖骸布血盟の二番煎じ」、の方が正しくないかな?
#まあ著者は、
「俺が先に脚本書きあげてたのに、企画持ち込む前にダ・ヴィンチ・コードが先に小説で出ちまったんだー!」
とか言ってるようですが…

ただ、作品のテイストは、ダ・ヴィンチ・コードや聖骸布血盟よりも、ジェフリー・アーチャーのサスペンスモノ、
「盗まれた独立宣言」に「ロシア皇帝の密約」と「大統領に知らせますか?」がちょっと混ざった感じかなぁ…?

「テンプル騎士団が権力を握れたのはキリスト教的な至宝(もしくは汚点)である<何か>を隠しており、
没落したのはそれを失ったからだ」

というのは巷でよく言われてるわけですが、
この物語の終盤近くで明かされるテンプル騎士団の秘密は、なんと「イエスの日記」です。
しかも、思いっきり人間的に赤裸々な日記らしい。
もし公開されたら、イエス=神の子の構図が崩れてしまうような代物。
キリスト教を根底から破壊する位とんでもない爆弾ですな。

−閑話休題−

んなこと言ったら「聖☆おにいさん」のイエスはブログ書いてるけどねー(爆)
しかもテレビ番組のレビューというこれまたとっても俗っぽいブログを…
そういえばあのイエスは十字軍とかどう思ってるんだろう?

−閑話休題−

この日記を握ってたからこそ、テンプル騎士団は当時のキリスト教世界で強大な権力を握る事ができ、
アッコン陥落後、行方不明になってテンプル騎士団は没落。
というのが今回のテンプル騎士団の設定ですが…じつはこのブツは最後にどんでん返しがあります。
#このオチはネタバレやめときます

でもって、行方を書いた古文書を手に入れた某人物が、
テンプル騎士団の暗号機を手に入れるために、
メトロポリタン美術館を襲撃…てのがストーリーの出だしです。

この襲撃シーンはビジュアルで見たいね。
なんたって、襲撃者はテンプル騎士団の装いで騎馬で現れるんだから。
#ただ、後で判明するんだけど中身がアレかと思うとちとげんなり、、、しなくもない

が…つかみは良かったんだけど、どんどん方向性がB級映画と化していきます、、、
しかもキャラクターの行動動機が全て個人的で、どこか何か狂ってる。
いや、敵方はいいんですよ、狂ってても。
ただ、主人公もちょっとどこかイッてるってのは…いかがなもんかと。
あとはキリスト教の遺物を扱ってる割に、キリスト教世界の描き方も薄いかな。

ダ・ヴィンチ・コードで言えば、ラングドン教授は巻き込まれて否応なしに事件に関わる事になるけど、
彼の行動動機には「謎を解きたい」っていう知識欲は当然として、
「事件をこれ以上進展させたくない」という正義感もあるわけで。
そこには「名声欲」てものはあまり感じられない(全くないとは言わないけど)、と私は思うんだよね。

ただ、この主人公の場合は…
「謎を解きたい」はまあ考古学者だから仕方ないとして、
そこから「これを発表して名声を〜」という名声欲が余りにも強くて、もう「ウザイ!」の一言になっちゃうのです。
#一応その動機付けの設定は一応あるにはあるから、人間的、と言えなくもないけどね

敵方もなんか薄いしなー。
メインの敵役はまあしゃーないとして、あの司祭はなんなんだ。
せめてアリンガローサ司教位の大物感を醸し出して欲しかったよ、、、
なので、当初懸念していた息切れ感、やっぱり出てきてしまいましたorz

カタリ派と絡めたのは割と面白い見方だとは思ったんだけど。
あと、過去編のテンプル騎士団の描写とかも悪くない。
だけど、、、ウロボロスの古写本、買おうかと思ったけどやめとこうかなぁ…

あ、B級映画のノベライズ、だと思って読めばそれなりに面白いですよ?
重厚感を求めるとちょっとしょぼーんですが。

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