聖骸布血盟

昨日本屋で衝動買いしてしまいました(そして一晩で読み終わりました)。
どうも「ダ・ヴィンチ・コード」のせいか、キリスト教の暗部を描くミステリーが読みたくて(^^;)
 #昔から好きなんだけど最近は遠ざかってたのよね、この手の本は
 #しかし、記事書くのはグイン以外は予定外本ばっかりだな(笑)

427010001X 聖骸布血盟 上巻
フリア・ナバロ 白川 貴子
ランダムハウス講談社 2005-09-15

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聖骸布血盟 下巻 聖骸布血盟 下巻
フリア・ナバロ 白川 貴子

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<聖骸布を知らない人のためのマメ知識>
キリスト教の聖遺物。
単純に言うと、処刑後のイエスの遺体を包んだ布の事。
その表面に遺体の全体像がはっきりと映し出されている。
近年行われた炭素14での年代測定で布そのものは13〜14世紀の品だという結果が出ているが、
それだけでは解決できない謎もまだ残されているため、未だに異議を唱える人が多いとの事。
現在はトリノ大聖堂で保管されている。
 #そーして聖杯や聖櫃、聖槍(ロンギヌスの槍)なんかと同様に、
   その手(特にアレなジャンル)の小説では格好のネタにされてたりする(^^;)
それはさておき聖骸布血盟。


聖骸布が保管されているトリノ大聖堂で起きた火事。
そこから発見された、“舌のない”男の死体。
2年前に起きた窃盗事件で逮捕された犯人も同じように舌がなく、さらに指紋まで焼かれており身元不明。
この2つの事件に関連性があり、さらにそれには聖骸布が絡んでいる、と考えた美術品特捜部部長のマルコは、執拗に捜査を続けるが・・・
聖骸布をめぐる二千年の歴史と、二つの団体の数百年にも及ぶ陰謀を描いた歴史ミステリ、、、です。
聖骸布がどのように生まれてどのような変遷をたどったか(キリスト当時〜十字軍〜テンプル騎士団の崩壊)、
それと本編の聖骸布をめぐる陰謀(現代)を1〜2章毎に交互に書いていて、
現代の色んな「何故?」が過去の話を読んで行くうちにわかるようになってます。
 #但しわかるのは読者だけ(^^;)
この手法そのものは面白いし、過去の話も非常に面白いのよ。
だけど、、、、
現代の描写が薄っぺらいです、先生(T_T)
過去のキャラの方には非常に生気を感じるのに、現代のキャラが薄いですよ。
それぞれにちゃんと個性も行動規範もあるんだけど、なんか現代のキャラはみんなお芝居してる、って感じ。
まるで、過去の話を書きたかったけどそれだけじゃうまくまとまらなかったから現代の話をつけたした、みたいな・・・
それでも最初から中盤までは非常に面白く読めたのですよ。
だけど、終盤に向けて加速していくにしたがって、なんか無理矢理感を非常に感じたりなんかして…
しかもオチがあれじゃなぁ、、、
 #さすがにそのネタバレは伏せておきます
つまらなくはないけど、ちょっとがっかり?
残念ながら、そういう意味ではダ・ヴィンチ・コードの方が面白かったかな、と思うです、オイラ的には。
さて、次はレックス・ムンディでも読むかなぁ。
荒俣宏の文章は、高校の時に帝都物語読んで懲りたから余り読みたくないんだけど…
題材に惹かれるので多分買っちゃうんだと思います。
ううん、、、

聖骸布血盟” に1件のコメントがあります

  1. 「聖骸布血盟」フリア・ナバロ ランダムハウス講談社

    明けましておめでとうございます。今年一冊目のレビューです。 皆さん、今年も宜しくお願いしま~す!! 本屋で平積みのものを見たときから何度も手に取り、読ん…

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