ナルニア国物語~第三章 朝びらき丸 東の海へ(アスラン王と魔法の島)~

ということで見てきました、朝びらき丸(映画の邦題は本来的には一切使いたくない、、、)
今回見たのは3D吹き替え版。
2D字幕が見たかったけど、さすがにこの時期は上映回数も少なくなってて、
うちの近場でやってなかったんだよね(^^;)
で、、、
だいぶ前にタイトルやら何やらででめっさ嘆いておりましたが、
幸いにして吹き替え版では船の名前が「朝びらき丸」になっててちょっとホッ。

だけど、映画見た後にツイートしたとおり突っ込みどころが満載で、
笑ってしまう部分がやたらと多かったです(^^;)
でもって、なんか指輪(というか映画のLOTRね)のニオイがあちこちぷんぷん。
特にVFXの表現とか…

でも、ディズニーじゃなくなったせいか、かなり脚本的にはマシにはなってる気が。
毎回の料理例えで行くと…1,2がサンプルだったとすると、
今回は一応食べられる料理です。
但し、名前から想像するものと違う味になってるアレンジ料理、みたいな感じ?
#○○のカルボナーラって名前だけど全然カルボナーラじゃない、みたいな、、、
まあ、回を追う毎にマシになってきてるのは確かだけど

以下原作ファンのツッコミです。
一部マニアック発言もありますので、ご注意下さい(笑)

今回、何故かラスボスがいます。
原作の事を考えると、何故にラスボスがいるのか非常に疑問なワケですが…
なんとすっ飛ばされると思ってた「くらやみ島」です。。。
原作(岩波少年文庫版)で20ページしかない島がラスボスって、、、をい。

しかも、闇を払うために伝説の剣が7本必要って…7卿探すエピを補完したつもりらしいけど、
なんか逆にそのせいで普通のファンタジーになっちゃったような気が…?
#そして一歩間違えればドラゴンボール(涙)

そもそも、この話って探求の旅の間に色々討ち果たしはするけど、
目的は探求であって、何かを救ったり倒したりするワケじゃないのに…
映画でも最初は7卿を見つけ出すためだったのが、
いりみなと町〜コリアキンのところで何故かくらやみ島を討ち果たす旅にすり替わってしまうのが、何かとても変な気分でした。。。
つーか、テルマール人ってアスラン信じてなかったよね?カスピアン十世まで。
なのに、カスピアン九世にアスランが守りの剣を送ったって、何でベルン卿が言えるわけ?
この時点で設定に矛盾があるじゃん、、、

確かに何かを救う旅の方がわかりやすいし、単なる探求の旅って、理解しにくい。
でも、原作のモチーフは聖杯探求なんだし、
過去設定と矛盾させてまで逸脱しちゃうのは、どうなんだろう、、、
ルイスの息子(但し奥さんの連れ子)は恐れと誘惑に対峙して乗り越えることがモチーフ、
って考えてるみたいだけど、それは原作の通りでも十分描けると思うんだけど。。。

一作目〜三作目の流れを見てると、
ダグラス・グレシャムの言ってることはやっぱ納得がいかんなぁ・・・
・・・まあこの辺を延々と突っ込んでいてもキリがないのでやめときますが。

さて、気を取り直して、と。
一応原作エピソードで回収してるのは以下の通り。
順番が入れ替わってたり、大幅に改変してたり…普通に作って欲しかったんだけどなぁ(もうやめっちゅーの)。

  • 離れ島諸島の話
  • コリアキンとのうなしあんよ
  • 死水島
  • ユースチスのドラゴン話
    (但し、死水島と同じ島の出来事になってるのと、ドラゴンから人間に戻る時期がずれてる)
  • ラマンドゥと星姫とアスランの食卓(但しラマンドゥは登場せず名前だけ…)
  • くらやみ島でループ卿拾う
  • リープとの別れ(withアスランになっちゃってる、、、)

そしてまた出てきやがります、白い魔女。
あんたはよっぽどエドが好きなのね(^^;)
それともスタッフのお気に入りなのか?
#そしておそらく「銀のいす」が映画化されたらまた出るに違いない…
こっちは必然性があるけどさ、、、

それから、前回からずっと気になってたスーザンとカスピアンの恋愛フラグ。
スーザンはさっさとアメリカで海軍士官なんかとパーティ行ってます(笑)
カスピアンはルーシィとの会話で
「お妃様は?」
「スーザン以上の人は中々いなくてね」
と言ってたので、まだちょい未練?とか思ったら、
星姫出てきた瞬間あっさり吹き飛んだ模様(笑)

ちなみに星姫の名前はリリアンディルになってたけど、原作(念のため英語版も確認)にはそんな名前は出てないぞー。
つかエアレンディル(指輪…つかシルマリル)と激しく似てる気がするのは気のせいか???
ルイス作品にトールキンぽい名前なんかつけちゃっていいんだろうか…
#こんなとこにも指輪臭が…

次に吹いたのがドリニアン卿。。。
ド、ドリニアンがハゲてる…(泣)
なんとなくドリニアンはフランシス・ドレイクなんかをイメージしてたので、
てっきり髪の毛はふさふさだと思い込んでて、、、ハゲなのがめっちゃショック、、、orz
格好いいんだけど、でも、何故にハゲ…(涙)

ルーの葛藤とかエドの葛藤に関しては、も、どーでもいいです(笑)
うん、誘惑されたね、頑張って耐えたりアスランに励ましてもらったり注意されたりしたね、て感じ(笑)
まあ、エドの「常に二番手」なコンプレックスはわからんでもないけど。
#でもドリニアン…原作の君は「船の指揮官はカスピアンでもエドでもなく、船長たるこの私」って言ってたぞ?
少なくともカスピアンだけを贔屓にするような男じゃなかったんだけどな…
やっぱ髪の毛とともにそういうのはどっかにおいて来ちゃったんだろうか???

リーピチープとユースチスの交流は原作よりいいね。
ドラゴンになる前は原作だと不倶戴天の敵、というか、いけ好かないヤツ同士だったのが、
映画だとリープがユースチスを鍛えてやろう、導いてやろうって感じを出しててなんか原作より性格がオトナ(笑)
でもってユースチスはヒステリックなツンデレか?(笑)
ドラゴンになってからのユースチスとリープの流れも好き。
ユースチスの背中に乗って飛んでる時のリープの台詞とかステキすぎる。
#ええ、どうせリープ贔屓ですとも

少なくとも、リープとの別れのシーンも原作よりいい。
#全体のモチーフはガッカリなんだけど、個別のシーンはいいとこあるんだよな…この映画…

アスランがラストにまんまアスランで出てきちゃうのはメチャメチャダメでしょお。
あそこは子羊→アスランって変化するのは、
現実世界でのアスランの名前が何か、に対する暗喩なんだから。
アスランがそのまんまで出てきちゃったら、現実世界のアスランの名前わかんないじゃんか…

やっぱりこういう映画は宗教色を排除しないといけないのかなぁ。
端々にちりばめられたそういうエッセンスは消さないで欲しかったんだけどな。
ナルニア映画としては、そこがとても残念。
あ、映画としてはそれなりにおもしろかったですよ?
ただ、普通のファンタジーになっちゃった感はどうしても否めないし、
あちこち指輪臭がするのがなんか微妙だけど。
DVDは…微妙(^^;)