ナルニア国物語〜第二章 カスピアン王子の角笛〜

昨日はシフト時間の調整でたまたま早く上がれたので、
ふらふらと新宿でカスピアンを見てきてしまいました。
実は、水曜日でレディースデー目当てだった、てのもあるけど(^^;)
ただ、残念ながらこちらのシネコンではレディースデー無し。
その代わりにマチネサービスで1200円だったからまあいっか。
てことで、本題のカスピアンですが・・・
先日、記者会見の時点で酷評しましたが、見ないウチからあそこまでけなす事も無かったかもしれんです(^^;)


まあ、例のごとくあちこちのシーンが指輪を彷彿とさせたり(今回は特に二つの塔の某攻防戦くさくて(^^;))、
ストーリー的に色々ツッコミどころは満載でしたが・・・
すくなくとも、ライオンと魔女の時のあのガッカリ感に比べれば、遥かにマシかと。

そうだなぁ、ライオンと魔女がレストランの蝋細工のサンプルで、
カスピアンは「本日のランチ」みたいな、実際に料理したサンプルって感じ?
 #どんな例えだ(^^;)

以下、ネタバレ。
まず、一番気になってたカスピアンとピーターの年齢差。
脚本が決まってからカスピアンの役者を選んだのか、役者を選んでから脚本書いたのか、が微妙だけど、
どうもこれってスーザンと恋愛フラグ(!)を立てるためたったんじゃないかと思われ。
 #そうすると、冒頭でスーザンがナンパされてたのは、その伏線だったってことか。

いや、もちろんそれだけじゃなくて、みなが待ち望む伝説の王(英雄王ピーター)と現在の姿(ただの少年のピーター)とのギャップをより強く打ち出すと言うイミでも、
この年齢差があることで、トランプキンだけが子ども扱いするよりもより効果的だったとは思う。
ピーターは、伝説の存在でもあり、正当なナルニア王だけど、今はただの少年。
カスピアンは、王子とは言えテルマール人で、ナルニア人から本来憎まれる存在。
ピーターとカスピアンの対立って、直接は作戦の失敗だけど、
結局↑みたいな自分の立ち位置への焦りとか、王位(指揮権)の正当制とかから出てきたものだと思うわけですよ。
んで、わざと年齢に差を付ける(原作はほぼ同じ位の年)ことで、それがより自然に見えるようにしたのかな、と思ったり思わなかったり。
ただ、個人的にはこのカスピアンには、昔のナルニアへの憧れとかそう言うものがちっとも感じられなくて、
ミラースに対する憎悪の方が強く感じられて、ハムレットちっくであんまし好きじゃ無い。
 #もともと環境設定が微妙にハムレットっぽいけどね>原作

ミラースに対する憎悪+ピーターに対する侮りと嫉妬(いや、焦りなのか?)から、
鬼婆とヒトオオカミと白い魔女の復活につながったので、ある意味うまく処理をした、と言えなくは無いかな。
でもよかったよ、白い魔女、一瞬で消えてくれて・・・
イヤマジ、本編にふかーく関わってこられたらどうしようかと思った(^^;)
あそこでエドに氷を砕かせたのは、前作との絡みか?

残念だったのが、「よお、よお、よお、おい、おい、おい」がバッサリカットなこと。
うう~、「息抜きじゃ!腹ごしらえじゃ!」が聞きたかったのに・・・
乳母エピソードもバッサリカット。
そもそもコルネリウス博士しか教育係がいない事になってる(笑)
まあなぁ・・・あの辺入れると絶対2時間半じゃおさまらないし、
ルーシィ一人だけにするわけにもいかないし、
そうするとカスピアンとスーザンの恋愛フラグがたたないもんな(^^;)
 #しかし、某シーンは微妙に旅の仲間の某シーンに似ていると思われ・・・
河の神とベルナの橋については、ちょっと違う使われ方で生きてたのでヨシ。
 #これも旅の仲間の某シーンに似ていなくも・・・ない?

ここらで軽くテルマール勢にふれておきます。
ミラースの冷酷さがいい感じ。
キャラ造形にクローディアスの他にマクベスも大分入ってるかも?
顔がなんかインカの侵略をしたピサロの肖像画に似てるんだよなー。
そもそもテルマール人は南方系ってことで南欧系の役者さんを集めたらしいけど、
テルマールのナルニア征服って、そう言う意味ではなんかスペインのインカ・マヤ侵略にちょっとかぶるね。
で、あとは三角スモモの女王サマが意外に美人。
てっきり、「銀のいす」のハルファンの女王みたいな白塗りブクブクなヒトをイメージしてたから(笑)
ソペスピアンはものすごく小悪党な感じ(笑)
グロゼールはえらくカッコよかった・・・てか、最後においしいとこ持って行きすぎだろ、お前(笑)

残念ながら上にも書いた通り「よお、よお、よお、おい、おい、おい」はバッサリカットなので、
グエンドーレンやその他一般のテルマール人の登場はなし。

四兄妹とカスピアンが随分と早い時点で合流したためか、
最初の戦い(原作第7章)が、野戦じゃなくて城攻めになったのがちょっと意外。
まあ、上に書いた対立ってのはこの作戦の失敗によるものなんですが。
ちょっと退却シーンが切ないかも・・・

アスラン塚の攻防と、木々の目覚めは、非常に某二つの塔を彷彿とさせるので、あまり触れたくありません(笑)
だって、結局ヘルム峡谷とエント大行進だもん、、、
まあ、どっちかっつーとカスピアンの場合は森が動く=マクベスかな、と思わなくも無いですが。
 #元々原作もその傾向はあるけど、映画は更にシェイクスピア要素を盛り込んだように思える

一騎打ちは非常に原作に忠実・・・でもなかったけど、あれはかなりよくできてた。
トレーラー見てカスピアンが一騎打ちすると勘違いしてたけど、
あのピーターがカスピアンに剣を渡すシーンは、一騎打ちの後だったということが判明したので、ちょっと安心。
 #ふくらグマの指しゃぶりが一瞬映ったのがナイス♪

谷あらし・・・随分荒々しさのが前面に出まくった、バーバリアンなセントールでしたな(笑)
もっとギリシャ系な感じが欲しかったよ。
もし、「さいごの戦い」を映画にするなら、星うらべはケイローンとか知的な感じの造形にしていただきたい。
松露とりや枝渡りの造形はさすがディズニーとでももうしましょうか、余りにもイメージどおりすぎる。
更に言うと、リーピチープの愛らしさ(爆)は不満を全て吹き飛ばしますな。。。
色がもう少し黒に近くないと、とかもっと声が高い筈だ(チユーチユー声、キーキー声)とか、
リーピチープにもツッコミドコロはあるんだけど、造形と表情がカワイイから許す。
しっぽエピソードも、多少唐突とは言えきちんと含まれてたし・・・
 #アスランが泣いてくれなかったのは残念だったけど、セリフはほぼ一緒だったからヨシ

ふむ、あれこれとりとめなくつらつら書いてみたけど、
少なくとも、やっぱり「ライオンと魔女」よりはよくできてたし、今回は比較的うまく2時間半によくまとめたと思う。
元々少ないアスランの出番が更に減ってるのがどーなのよ、ってのと、
スーザンとカスピアンの恋愛フラグは余計だと思わなくも無いけど(笑)
 #やっぱ王子には恋愛フラグ必須なのか?>ディズニー

でも、「朝びらき丸」が映画になったら星姫の立場は・・・?(笑)
うん、これならDVD買ってもいいかも。
もちろん、おまけはリーピチープで(笑)