映画「笑う大天使」

見てきたですよ、ついに。
小説版の方読んでたから、原作からどう変わってるかってのはわかってたから、
ある意味心の準備が出来て冷静に見ることが出来たです。
まあ、それでもツッコミどころは満載ですが…
んで、困ったことに、自分の中で評価が真っ二つにわかれてたりして(^^;)

原作至上主義で考えればひどい映画だし。
純粋に大天使のパラレル映画として楽しめば悪くない映画だし。

なかなか評価に苦しみます(^^;)
ま、原作至上であろうがなかろうが、大半の役者が大根なのはどーにもならんですが(笑)
#大根なのか、演技指導が出来てないのか、難しいところである

さて、それではネタバレツッコミ行きますか。
ストーリー上のおおまかなツッコミは前回小説版でやっているので、
今回は映画で見た上で気がついた点、「をいっ!!!」ってな点をば。
ネタバレ警報はしましたので、この先に進む場合は自己責任でお願いします。

【史緒さんの関西弁にはそーとー違和感がある】
基本的にカーラ君の作品に関西弁の人間は出てこないので、
小説版でさえ違和感がありましたが…耳で聞くと、そーとー違和感があります。
#関西弁を否定しているのではなく、
作品世界にマッチするかしないか、の問題です。

【ハウステンボスを活かしきれてない】
花びらははらはら散ってましたが、ミカエル学園が綺羅の空間と言う雰囲気じゃなかったです。
ガーデンパーティの時の庭とか、正門の辺りの雰囲気は良かったのにな。
ハウステンボスロケと、スタジオ撮影の差がくっきり出ちゃった感じ。

【ソムリエって…】
実はこれはエンドロール見てて気がつきました。
司城家には執事がいなくてソムリエがいるらしいです。
…おかしいな、執事のはずなんだけどな。

【殿下、目つき悪すぎ】
もう少しやわらかい悲しそうな目の演技をしていただきたかった。
あれじゃ怒ってる目ですがな。
確かに漫画の一臣殿下も目つきは良くないですが、伊勢谷友介の目はかなり怖い。
同系統の顔であれば、市川染五郎の方がまだよかったなー(笑)
#さすがに出演してくれるとは思えませんが(^^;)
あと、殿下の年齢おかしくない?
なんでロマンスグレーとか史緒さんに言わせちゃうかなぁ。
殿下が10歳の頃史緒さんがお腹の中にいる状態で母ちゃん追い出されてるから、
年齢差はせいぜい10か11。
史緒さんが17だと殿下は27じか28。
とてもロマンスグレーの年ではないですな。

【ロレンス先生の日本語が】
日本人より流暢な日本語をしゃべ・・・りませんでしたなぁ(T_T)
英国人のくせに国語教師じゃなかったのか、ヘンリー・エセルバート・ロレンス…
なんかサー・ロレンスと言うよりジョーンズ神父っぽかったです。

【ちょっと待て、その体操服は】
一体どこの拳法着ですか。
もう、劇場内爆笑でしたよ。

【もぎゅもぎゅ】
いや、発音されても困りますし(汗)
アクションシーンの方で書き文字使ったりしてるんだから、
せめてもぎゅもぎゅはカーラ君のへた字にしていただきたかった(T_T)

【煙の色が…】
ムナサワギの悪魔色ではないかと期待してましたが、
なんか単に紫と灰色の混ざったような色でしたな。
とてもムナサワギの悪魔色とは思えませんでした。

【シスター・セシリアが(笑)】
パンフを購入した人は後ろのキャストをよく見てみましょう。
なぜかシスター・セシリアだけは名前があります(笑)
音楽室のシーンで怒りに来たシスターがおそらくそうです。
なぜならば、その直後にお掃除をさせられているから(笑)
これは結構ポイント高し。

【三年のお姉様方のお名前が出てきてません】
静姫はちゃんと紹介されてるし。
沈丁花娘は友達が「沈丁花さん」とか言っちゃってるし。
なのに、なぜ三年のお姉様方は紹介されないんでしょう(^^;)
ちなみにオフでは、みんなの通称=本名というトンデモ解釈が飛び出しました。
沈丁花エピが無かったので、
私が「沈丁花娘はきっと『沈 丁花』っていう中国の人なんだよ」とか口走ったせいです(^^;)
そしたら星野さんが、
白薔薇の君=白薔薇野 喜美
紫の上=紫野 宇枝
桔梗の宮=桔梗野 美也
って(笑)
実際オフでは口頭だったからイメージしにくかったけど、
漢字にするとそれっぽく見えるから恐ろしい(爆)

【ガーデンパーティ≠正統派英国アフタヌーンティ】
…どこをどう間違えたらあそこまでとんでもない服装とメイクになるのかと。
みんなソバージュかけた上にアップ。
露出度の高い衣装。
濃い化粧。
…どこがお嬢様だって?
オミズ(百歩譲ってコンパニオン)のねーちゃんの集団にしか見えんぞ。
せめて簡易版デビュッタント(デビュタント)位の演出にして欲しかったんだけどな。
#舞踏会とガーデン・パーティじゃえらく違うのは確かですが(^^;)

【桜井敦子様…とても銀行のお嬢に見えません】
お見合いの席での服装、ガーデンパーティでの服装、どちらもとてもお嬢様とは思えません。
特にガーデンパーティの衣装、一歩間違えたらヌードに見えそうなベージュの衣装。
#しかもノーブラだって事がはっきりわかるし…
#理由がわかった人は20字以内で説明してみよう
あんた、一体スイスの全寮制の学校で何勉強してきただ?
ヒトを陥れることだけか?

【ダミアンを追う必然性がない】
裏庭のシーン、三人娘が誘拐犯を追うシーン、
どちらもダミアンを追っかける必然性がまったくない。
原作では麦チョコを拾い食いしているからこそ、手がかりとしてダミアンが役に立っている。
しかし、映画ではなんの為にダミアンを追っかけるのか、必然性がまるで感じられない。

【ミカエル学園は「湖」の中にあるはずなのにどこから潜水艦?】
三人娘が桟橋にたどり着くまでというのは、ただひたすら走ってるだけ。
汽車に乗って出て行っているシーンがないし、専用列車しかあの島にはルートが無い筈。
そのため、あの桟橋はミカエル学園のある島の桟橋の筈…なんだけど。
とすると、どこから潜水艦を入れたのか…
あの湖は汽水湖でどっかで海に通じてるんでしょうかね(笑)
でも、「東のミカエル」って言う位なのに、該当する湖は関東に無いぞー。
#しかも警察庁長官が気軽に訪れることが出来るってことは関東近郊だったはずだが(笑)
オフでは「バビロンプロジェクトで埋め立てられた東京湾だよ」(ワシ)とか、
「霞ヶ浦だよ」(しのぴー君)とか、「いや、あれは江ノ島だ」(ワシ)とか珍説奇説が出てました(爆)
#よく考えたら江ノ島には五頭の竜が祀られてるんだから、
映画オープニングのドラゴンネタにからめて考えれば江ノ島って言えなくも無いね(^^;)
#するってーと大天使ミカエル=弁才天(サラスヴァティ) …んなバカな(^^;)

【殿下、殿下、右腕骨折してるのに】
車運転しちゃいけませんぜ(笑)
それより、どーやってその車を島に持ち込んだのよ?
オフでは「フェリーだね」で一致しましたが…もしかしたら汽車に積んだのかも?
#確か実際にあるっしょ、車運ぶ貨車が
あ、でもそうしたらあれだけの数の警察車両を運ぶの大変だなぁ。
とすると、その時だけ専用の橋がお城の跳ね橋のようにガッションと降りるのかな?
ミカエル学園、謎が深まります(笑)

【アクションシーン長いぞ】
もう少し削って、

  • 「目玉がシベリアだぜ」
  • 「もいちどやり直してください」
  • 「文句があるならベルサイユへいらっしゃい!」

せめてどれかを入れて欲しかったなぁ…
#どれがどのシーンだかわからない人は、原作を読み直してみよう
#「文句があるならベルサイユへこんかい!」はダメでしょお(T_T)
あと、スーパーパワーが身についている割に、ボス戦で手こずりすぎ。
超人ロックな史緒さんと互角に戦えるシスター・マレーネは、
さしずめバイオニックジェミーとでも申しましょうか(笑)
あと、あのバラのつぼみの形したフレイル、どっから出したんだろうね(笑)
#チェーンが長いのでモーニングスターと言いたいトコだけど、トゲがないから(^^;)
ま、モーニングスターもフレイルの一種っちゃ一種だからいいや(笑)
オフでは「きっと胸に入れてたに違いない」で決着(笑)

【お星様にしちゃだめじゃん】
史緒さん、史緒さん、神の鉄槌はいいんですけど、お星様にしちゃうのはまずいです(^^;)
他国でも起きているお嬢様誘拐事件が解決できません(笑)
犯人はお星様にせずに警察へ突き出しましょう(爆)

【静姫しか見ていない筈なのに…】
白薔薇の君、紫の上、桔梗の宮、沈丁花はどうやって三人娘の弁護をしたのだろう?
てゆーか、ひたすら船倉でお祈りしていたこの四人が、
事件で三人娘が果たした役割を知ってるわけがないのだが。
本当は、
「無事でよかった」
「靴はかたっぽしかなくても大丈夫だね?走れるね?」
「気をつけて!」
「あれは、あの三人は…」
この流れがあってこそ、なんだけどな。
このシーン、大好きだし…

【僕より妹を…】
殿下、そりゃないだろう。
あれを史緒さんに言うんじゃおかしいよ。
敦子様と一臣殿下の会話であの台詞が出て、
それをドアの前を通りかかった史緒さんが聞いちゃう、
で、ドア前で敦子様とすれ違う(ぶつかるでも可)。
その後兄妹の会話(泣きたかったんだよ兄ちゃん〜母ちゃん〜森江賢一)につながる…
せめてこんな感じに。
ベタ過ぎんのはわかってるけど、
そうしないと桜井敦子様、ビジュアルがお嬢様じゃない上に、
キャラクター的にも救われないでしょ。
お母さんネタと森江賢一ネタを絡めたのはよかったんだけどなぁ。
まあ、史緒さんが小学生のときに森江賢一の本を読み聞かせてたところに微妙に年齢的矛盾を感じますが、
一臣殿下が高校生作家としてデビューしていた、と思えばなんとか納得できるかと(笑)
#16でデビュー=史緒さん小学1年生

【ラストの殿下、衣装のサイズが微妙に合ってません(爆)】
どーでもいいネタですけど、ラストシーンをよく見てください。
殿下のシャツのボタンがはちきれそうですから(爆)

ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…
あー、長かった。
まだね、まだ書き足りないことが一杯あるですよ。
でもいい加減眠くなってきたので今日はこれくらいで。
#気が向いたら追加するかも

まあ、基本的に原作と比較しつつのツッコミですので、
マイナス要因ばかり挙げ連ねております。
設定流用した別の作品だと思えば、これはこれで爆笑要素が多いし、面白い作品ですが。
#どうしても原作ファンは点が辛くなりがち

ただ、ストーリーの動きがめまぐるしく変わるし、
せめて小説版をよんでからじゃないと理解するの大変かも。

あとは…某楽園のメンバー板にも書いたんですが、
「監督は最近流行の『セレブ女』と『深窓の令嬢』を混同している」
よーな気がするね。
celebrityとnobleの違いとでも申しましょうか。
トリスさんが小説版のレビューにつけて下さったコメント、
「真のお嬢様というならばN製粉の孫娘を…」
は激しく同意。
まあ、使うのは無理(年齢的にも(笑))にしても、
これまで平民になるまでに散々メディアに露出しているわけですから、
モデルにするくらいは出来ると思うのですよ。
特にビジュアル的に露出度が高すぎて「上品さ」「清楚さ」っちゅーものがないです。
なんか勘違いしている。
ミカエル学園には基本的に華族・士族(元大名クラス)の代々続くような家柄のお嬢さまが通うガッコなのに、
なぜあの制服であのガーデンパーティーの衣装&メイクなんだ?と思うです。
あの制服の中に白いスタンドカラーのブラウスを1枚着るだけでも全然違ってくるのにね。
#特に、あそこまで襟ぐりが大きくて背中も開いていると下着をどうしていたのか非常に気になる(笑)
#やっぱぬーぶらかなぁ?

映画と原作が別物になる、というのは仕方ないにしても、
こーーツッコミどころが満載ってのも困ったもんです(^^;)
色んな意味で笑える映画でしたね。

映画「笑う大天使」” に4件のコメントがあります

  1. 書き足りないことは、山のように出てくるでしょう。
    私だってツッコミ入れるべきところを、そのときには観ていないイラナさんの「FOX通信」に書き込むのは制限がありましたが、制限のおかげで短くすんだ訳ですから(;^^)。
    おっしゃるとおり、評価と批判が自分の中でまっぷたつです。
    いずれにしても、大根役者と演技をつけきれない監督の腕の悪さ、いくら有名デザイナーに頼んだとしても、あの衣装を断りきれなかった監督の小心さは、有罪判決が言い渡されても仕方なかろうかと。そもそもあまり、カトリックのことを知らないんじゃないかな、と思いますね。
    上野樹里が原作を読んでいないとか、はり倒したくなるような部分もありますけど、イラナさんから観て、映画の評価点は〜?

  2. >制限のおかげで短くすんだ訳ですから(;^^)。
    もはや解禁ですぞ(爆)
    いくらでもどぞどぞ。
    >そもそもあまり、カトリックのことを知らないんじゃないかな、と思いますね。
    お嬢様云々以前にその可能性はありますね。
    映画そのものとしては笑える要素満載だったんだから、
    お嬢様的要素・カトリック的要素をもう少しきちんと描ければ原作ファンとしても高評価できるとおもうんだけどなぁ。
    「お嬢様」という前提がガタガタに崩れているからこそ、酷評したくなるという事もあるし。
    >イラナさんから観て、映画の評価点は〜?
    あー、、、
    純粋にB級映画として楽しむなら85点、
    ミカエルの映画として見るなら20点
    こんな感じですかねぇ。
    書いててふと思ったんだけど、カーラ君、B級映画が確か好きだった筈…
    だから、「この映画を気に入った」ていうのは、
    このB級映画としてのクオリティ部分なのかな、と思います。

  3. ご無沙汰いたしております。
    史緒さんの関西弁につきまして。
    一部、か、二部か三部、関西弁としてそれでいいのか?と「違和感」を覚えた箇所がありましたけれども、トータル的には問題なしと私は思いました。
    「なるほど笑う大天使」で、司城史緒を演じるのは上野樹里、という記事において「あんたら、エサのいらん猫飼うとるやろ?」という台詞を見たときには目の前が暗くなりましたが、映画はそんなにひどくなかった、と思います。
    多分、ネイティブ関西弁スピーカーと聞く上野樹里さんの手柄なのでしょう。
    むしろ問題は史緒さんの御母堂です。
    なんですか。あのカタコトの関西弁は?
    ・・。
    本当は関東人だったのだが、司城家を出たあと、関東に居場所がなくなり、関西へ逃げた。
    関西で生まれた娘は(準?)ネイティブ関西弁スピーカーに育った(?)が、母は関東訛りが抜けなかった、といったところでしょうか。

  4. 「史緒さんの関西弁」への補足です。
    『笑う大天使』の3人に代表されるように、川原作品のヒロインたちは関東系の言葉が話される地方にあって九州風の言葉を操る傾向があるようです。
    この傾向は、女子高校生のくせして相当の年齢と社会的地位がありそうなおじさんのような物言いをする、という現象として読者の知るところなり、設定的には気の毒といってよい少女たちに異様な程の落ち着きと貫禄を与えるという効果をもたらします。
    これが、川原世界の一つの大きな魅力と申せましょう。
    そして、川原世界に限らずとも高校生の頃は地元の言葉を地元の言葉どおりに使うようなことはしなかったなぁ、という記憶もあり。
    ですから、いくら関西人の庶民でも生粋の関西弁を話したのでは面白くない。
    そういうことは言えるでしょう。
    「作品世界にそぐわない」という御指摘は上記の感想と同様かと愚考いたしますが、如何でしょうか。

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